【美しく、シンプル】シンプルの中に洗練されたフォルムと使いやすさを両立 ーイッタラ・カルティオー

美しく、シンプル
ごく、シンプル。
素朴とはまた違った、洗練されたシンプルさ。
カルティオの第一印象。
たくさんの、多種多様なデザインを目にする世の中。このシンプルさがかえって目を引く存在かもしれません。
”カルティオ”とはイッタラ製品のシリーズ名。「円錐」と言う意味があります。
イッタラ(iittala)は食器や花瓶、オブジェを造っている会社。北欧デザインが好きな方、食器類が好きな方はもちろん、東京・表参道の、おしゃれなお店が立ち並ぶメイン通りにお店がありますから、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
このイッタラ、1881年、フィンランドの南部にあるイッタラ村でガラス工場を設立し、吹きガラス、型押しガラス、磨きガラス、彩色ガラスや彫刻ガラスを作り始めました。1930年代、Alvar Aalto(アルヴァ・アアルト)、Aino Aalto(アイノ・アアルト)、Kaj Franck(カイ・フランク)などが中心となり、美しく機能的なデザイン哲学を取り入れ、様々なシリーズを生み出します。
このカルティオ。こんなにシンプルなのだから、1番最初に出されたシリーズなのでは? と思うでしょ?
私もそう思っていました。
ところが、今現在販売されているシリーズの中で、1番最初に発表されたのは別のもの。それは、またのちほどご紹介するとして、このカルティオは1958年に誕生しています。デザイナーはKaj Franck(カイ・フランク)。言わずと知れたフィンランド・デザインの巨匠。彼はイッタラの中のティーマと言うシリーズも手がけています。
「フィンランド・デザインの良心」と呼ばれたカイ・フランク(1911〜1989)。彼は日本を愛し、何度か来日しています。初来日した1956年には民藝運動家の柳宗悦(柳宗理のお父さん)や陶芸家の河井寛次郎を訪ねたそうです。彼の自宅、寝室には錦絵を飾り、リビングには日本地図や茶器が置いてあったとのこと。日本円のコインをいつもポケットに忍ばせていたと言うエピソードもあり、お守りのように大事にしていたのかな、と思うと、日本への想いを感じて嬉しくなりますね。
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手に馴染む、心地よさ
このカルティオシリーズ、公式サイトで現在(2024.11.29)販売されている商品は
・タンブラー(容量約210ml)
・ハイボール(容量約400ml)
・カラフェ(容量約950ml)
の3種類。
過去にはボウルやキャンドルホルダーといった商品も販売されていたようです。
我が家にあるのはタンブラーとハイボール。ちょっと喉乾いたな、と言う時にはタンブラー、たっぷり飲みたい、という時にはハイボールが活躍しますよ。
冒頭で触れたように、カルティオとは「円錐」と言う意味。下に向かってすぼんでいく形だから、手に持った際の程よくフィットしてくれる。このフィット感、存在を感じさせる重さ、何より極めてシンプルだから、何を入れても何に使ってもすんなりなじんでいます。
サイズ感、重さはこちら。
日本人の手の大きさ、手のひら・手首の境目から中指の先までの平均が18.5cm(参考:新・日本人の体力標準値/東京都立大学体力標準値研究会編・不昧堂出版)とのこと。私の手の大きさが17.3cm、タンブラーを持つとしっかり馴染み、安定して使用することができます。重さは約190g、今はとっても軽いグラスもありますが、このくらい重さの方が持った時の存在感があり、意外と良いものです。
なお、しっかりした厚みがあるので耐熱ガラスかな?と思われがちですが、そうではないのでご注意を。
色とりどり、よりどりみどり
このカルティオ、形はシンプルなのですが、たくさんの色が出ています。残念ながら廃盤になっている色もありますが、発売された色はどれも素敵でコレクションしたくなります。公式サイトで現在(2024.9.6)販売されているのはタンブラー9色、ハイボール6色、カラフェ2色。優しい色味からハッキリとした色までよりどりみどり。
増えたり減ったり、我が家のカルティオ
カルティオを知ったのは、かれこれ20年以上前。少しずつ購入していますが途中で欠けたり割ってしまったこともあり、我が家のカルティオ達は増えたり減ったり、を繰り返していました。今現在の顔ぶれはこちら。
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赤系は今も販売されていますが、「クランベリー」といって少しピンクが入ったような、柔らかい表情の色。このはっきり主張する赤色が気にっています。
いくつかの色は廃盤になってしまい、こちらが割れたら公式サイトではもう購入できないので、より気を引き締めて丁寧に扱おう、と心に決めています。
極めてシンプル。
周りに溶け込むシンプルさでありながら美しいフォルム・カラーと使いやすさ。
20年以上前に出会ってから今現在も愛用していますが、これからも使い続けたい、おすすめの品です。
■ご参考まで
ご一読ありがとうございました。